◆ STORY ◆

何も変わりの無い世界。移り行く同じ毎日。

それが変わったのは、ほんの些細な「儀式」からだった。



突如現れた女性は自らを天使と名乗り、目指すべき目的を告げた。

女神となるべき、定められし四人の天使。

彼女達が目指すのは、ただひとりにのみ与えられる椅子。

それを助けるは、選ばれし者。


「……この日がくるのを、どれだけ待っていたかしら」


「本当に、いいのか? 心を偽っていないと、言い切れるのか?」


何の為に闘い、何の為に生きるのか。

答えの無いまま、迷いの消えぬまま、時ばかりが過ぎていく。


「わたしは、闘いなんてしたくないの……!」


「大丈夫、いつでも傍に居るから。あたしは、ずっと味方だからね」


それぞれの思い。それぞれの勇気。

それは時に力となって、道を切り開く。


「私は、どうしたらいいの? 何処へ行けばいいの?」


「本当の事なんてきっと、誰にも分からない……」


それぞれの苦しみ。それぞれの悲しみ。

心を締め付ける、痛いほどの苦悩が身を襲う。


「悩んだ事など……無かった筈だ。これが正しいと、そう思っていた」


「僕に出来るのはただ見守る事。そして、皆さんの帰りを待つ事だけ」


過ぎていく時間の中で、見つけ出したひとつの希望。

強い思いはきっと、大きな糧となる筈だから。


「だったら、私は信じるよ。皆の事も、自分の事も」


「これがあたしの、答えだ」


   *   *   *


世界の均衡が崩れた時、新たな天使が神となる。

或る者は、何も分からぬまま。

或る者は、ただ使命の為に。

或る者は、愛する者の為に。

そして或る者は、自分の為に。

信念を抱きて未来へ手を伸ばす――――。



ほのぼのシリアスファンタジーストーリー

「 召 喚 天 使 」



翼無き天使達よ、汝が未来に向かって羽ばたけ。

――――その先に、幸福のあらん事を。

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